第十七回PCクラスタシンポジウム

主催 PCクラスタコンソーシアム
日時
2017年12月14日(木) 13:30~17:20(終了後、懇親会)
15日(金) 10:00~17:00
会場 秋葉原コンベンションホール
東京都千代田区外神田1-18-13 秋葉原ダイビル2F 〒101-0021
定員 200名
参加費 無料(懇親会は有料)
参加申込み〆切 2017年12月11日(月)正午

事前参加登録は締め切りました。
参加をご希望の方は、当日に会場受付にお越しください。

開催趣旨 -PCクラスタアーキテクチャの現状と今後―

科学技術の発展のためには、大規模計算科学シミュレーションが必要不可欠であり、PCクラスタは計算科学へのゲートウェイです。PCクラスタコンソーシアムでは、産業界、アカデミック界と連携して、計算科学へのゲートウェイであるPCクラスタの普及に努めてきております。

本シンポジウムは「PCクラスタアーキテクチャの現状と今後」をサブテーマとして開催いたします。
初日は、恒例のPCクラスタプラットフォーム最新動向および本コンソーシアム会員企業からの発表を行います。2日目は、理研の佐野健太郎先生に「FPGAを用いた高性能計算の可能性とデータフロープログラミング」のご講演を、また昨年のシンポジウムでの講演「産総研ABCI」の状況を産総研の小川宏高先生より、「JCAHPC」の状況を筑波大の朴泰祐先生よりご講演いただきます。最後に「メニーコア&GPUクラスタの現状と将来」をテーマにパネル討論を行います。

プログラム

12月14日(木)

  
13:00~ 受付開始、企業展示開始
13:30~13:35

PCクラスタコンソーシアムのご紹介

石川 裕 PCクラスタコンソーシアム会長

13:35~15:05

PCクラスタプラットフォームの最新動向

13:35 - 14:05

「インテルHPCおよびAI」

矢澤 克巳(インテル株式会社)

講演概要を開く

最新のインテル® Xeon® プロセッサー・スケーラブル・ファミリー、インターコネクトOmni-Path、高速なストレージとしても拡張メモリとしても利用可能なOPTANEなど、HPCおよびAIに関連した最新の製品技術を御紹介します。

14:05 - 14:35

「サーバー市場向けに高性能プロセッサー
『AMD EPYC™7000シリーズ』について」

松永 誠(日本AMD株式会社)

講演概要を開く

弊社AMDはサーバー市場向けに高性能プロセッサー「AMD EPYC™7000シリーズ」を今年6月に発表しました。最高32の高性能「Zen」コアと卓越したメモリー帯域幅、および高速な入出力チャンネルに対する優れたサポートをひとつのチップにまとめた「EPYC」はデュアルソケットサーバー市場と共に、シングルソケットサーバーに対する期待値を高めることを目指しています。

14:35 - 15:05

「インターコネクトでAIを加速。最新インターコネクト製品技術のご紹介。」

愛甲 浩史(メラノックステクノロジーズ株式会社)

講演概要を開く

AIやディープラーニングを実行するクラスタにおいては、そのインターコネクトに求められる要件は、従来のHPCとは異なります。本講演では、そのAI・ディープラーニングにおいてインターコネクトが担うべき要件、およびその最新技術動向を紹介します。

15:05~15:35 休憩
15:35~17:00

PCクラスタコンソーシアム会員企業発表

15:35 - 15:50

「富士通のPCクラスタへの取り組み」

中島 耕太(株式会社富士通研究所)

講演概要を開く

富士通のPCクラスタに対する取り組みについてご説明します。特に、最近のインテル製プロセッサの性能動向や電力と性能の関係を考慮した高速化手法について、最新の研究開発事例について説明いたします。

15:50 - 16:05

「新ベクトルスーパーコンピュータ SX-Aurora TSUBASAのご紹介」

萩原 孝(日本電気株式会社)

講演概要を開く

新開発ベクトルプロセッサをPCIeカードに搭載し、ベクトルプロセッサの超高性能と、x86/Linux環境の使い易さを両立した、次世代ベクトル型スーパーコンピュータを御紹介します。

16:05 - 16:20

「DDN Update for 2018」

井原 修一(株式会社データダイレクト・ネットワークス・ジャパン)

16:20 - 16:35

「アックスの分散機械学習プラットフォーム」

竹岡 尚三(株式会社アックス)

16:35 - 16:50

「設計空間探索/CAE最適化プラットフォーム『pSeven』のご紹介」

八木 真人(SCSK株式会社)

講演概要を開く

モノづくりCAEの分野では製品の高機能化・複雑性と開発のリードタイム短縮の命題から、複数のソリューションを組み合わせ結果発生する数多くのデータから最適な設計仕様をいち早く決定する手段が求められています。これらニーズに対応するため、設計データから代理モデル解析を可能とする次世代の設計空間探索ソフトウェア「pSeven」をご紹介します。

17:00~19:00 懇親会(参加費1000円)

12月15日(金)

9:30~ 開場、展示開始
10:00~10:40

基調講演
「FPGAを用いた高性能計算の可能性とデータフロープログラミング」

佐野 健太郎 理化学研究所/東北大学

講演概要を開く

来るポスト・ムーア時代では、大規模システム内の膨大な数のチップに分散するハードウェア資源を通信遅延の下で効率良く使用することが、これまで以上に求められる。そのためには、回路再構成可能デバイスを用いた特化型計算と、同期を分散し局所化が可能なデータフローに基づく計算が有望と考えられる。本講演では、データフローに基づく特化型高性能計算の課題と可能性を述べると共に、FPGAを利用した研究進捗を紹介する。

10:40~11:20

特別講演1
「人工知能・ビッグデータ処理のための次世代計算インフラ「AI橋渡しクラウド(ABCI)」の構築」

小川 宏高(産業技術総合研究所)

講演概要を開く

産総研は、人工知能技術に関する最先端の研究開発及び社会実装を加速するため、国内外の叡智を集めた産学官一体のグローバル研究拠点を形成するとともに、拠点においてアルゴリズム(Algorithm)、ビッグデータ(Big Data)、計算能力(Computing Power)の協調による高度な人工知能処理を可能にするオープンイノベーションプラットフォームとして、人工知能処理向け大規模・省電力クラウド基盤(AI Bridging Cloud Infrastructure、ABCI)を導入する。本講演では、ABCIの概要、導入状況、課題について報告する。

11:20~11:40

PCクラスタコンソーシアム専門部会報告1

11:20 - 11:40

システムソフトウェア技術部会
「次世代メニーコア型スパコンのためのシステムソフトウェア」

堀 敦史(理化学研究所)

講演概要を開く

理化学研究所が中心となって開発を進めている次世代スパコンのためのOSカーネルMcKernel、およびメニーコア向けの新しい並列実行モデルのためのライブラリ PiP について紹介する。

11:40~13:30 昼休み
13:30~14:10

PCクラスタコンソーシアム専門部会報告2

13:30 - 13:50

並列プログラミング言語XcalableMP規格部会
「PGASプログラミング言語(XcalableMP)の課題」

佐藤 三久(理化学研究所)

13:50 - 14:10

実用アプリケーション部会
「並列プログラミング講習会活動と実用アプリケーションクラウドのご紹介」

片桐 孝洋(名古屋大学)

講演概要を開く

本発表では、当部会が共催・主催する並列処理およびクラウド講習会の実施報告と、現在公募中の実用アプリケーション・クラウドについて紹介します。
また近年、産学で利用されているOpenFOAMを利用した流体解析ベンチマークテストを、大学のスーパーコンピュータとクラウドサービスにおいて実施し、性能と課金の解析を行った最新結果について紹介します。

14:10~14:50

特別講演2

「JCAHPCの新スーパーコンピュータOakforest-PACS
― 1年の運用を通してみた利用と成果」

朴 泰祐(最先端共同HPC基盤施設(JCAHPC)/筑波大学)

講演概要を開く

Intelの最新版Xeon Phi (MIC)であるKnights Landing (KNL)プロセッサを用いたOakforest-PACSは、フルスケールによるテスト運用が2016年12月に開始され、さらに2017年4月から開始された、HPCIを含む公式運用も8ヶ月が経過し、様々な成果が出始めている。同システムは現時点でTOP500における国内第2位の性能を持つが、KNLを用いたPCクラスタとしては依然、世界最大のシステムであり、さらにIntel社のOmni Path Architecture相互結合網を用いたシステムとしても世界最大である。
本講演では、Oakforest-PACSの概要と現在の稼働状況及びHPCI、東京大学、筑波大学における各プログラムでの運用プログラムとその状況について報告する。特に、毎月末に実施されている、Oakorest-PACSのフルシステムを24時間占有し特定課題に集中的に計算資源を提供する「大規模HPCチャレンジ」における成果と計算規模・計算性能について紹介し、同システムが計算科学・計算工学分野における最先端の研究を支える重要なスーパーコンピュータ資源であることを改めて紹介する。

14:50~15:30 休憩
15:30~17:00

パネル討論「メニーコア&GPU クラスタの現状と将来」

モデレータ: 石川 裕(PCクラスタコンソーシアム/理化学研究所)
パネリスト
(五十音順):
  • 小川 宏高(産業技術総合研究所)
  • 久門 耕一(株式会社富士通研究所)
  • 佐藤 三久(理化学研究所)
  • 佐野 健太郎(理化学研究所/東北大学)
  • 中島 浩(京都大学)
  • 朴 泰祐(最先端共同HPC基盤施設(JCAHPC)/筑波大学)

討論趣旨を開く

2016年Intel社はメニーコアアーキテクチャKNLを製品化しNVIDIA社はHPC&AI向けにTESLA V100を製品化した。日本ではJCAHPCや京大においてKNLを採用したクラスタが本格稼働し、またTESLA V100を採用したクラスタがABCIで稼働している。
一方、今後の半導体微細加工技術向上の終焉を見据えて新しいアーキテクチャの研究も始まっている。現状のマシンのこれからの活用をどのようにしていくのかが重要な課題であるが、それと同時に今後の新しいアーキテクチャ研究への取り組みをどう進めていくかも重要である。このような問題意識の下、識者をお招きし議論していく。

17:00 閉会

会員展示

(12月14日 13:00 - 19:00、15日 9:30 - 15:00) ※シンポジウム会場内、2日間

  • 富士通株式会社
  • 日本電気株式会社
  • 最先端共同HPC基盤施設(JCAHPC)(東京大学および筑波大学の共同展示)
  • SCSK株式会社
  • インテル株式会社
  • 株式会社アックス
  • 株式会社データダイレクト・ネットワークス・ジャパン