PCCワークショップin 神戸 2026「AIによるHPC」

会期 2026年7月2日(木)-3日(金)
会場

理化学研究所神戸センター1階セミナー室

兵庫県神戸市中央区港島南町7-1-26 〒650-0047

共催 理化学研究所 計算科学研究センター(予定)
開催形式 現地とZoomによるハイブリッド運営
現地定員 80名
参加費 無料(要登録)/懇親会は有料(参加費2,000円)
※事前参加申込締切:6月29日(月)正午
懇親会 有料(参加費2,000円・要参加登録)
※懇親会申込締切:6月17日(水)17時

参加申し込みフォーム

開催趣旨 AI-driven HPC

近年、AI技術の急速な進展により、従来は高度な専門知識と多大な労力を要していたHPC(High Performance Computing)の領域においても、その活用可能性が大きく広がっています。プログラム最適化やGPUコードの開発、さらにはシステム運用や管理といった側面においても、AIが人間の作業を支援・代替しうるとの期待が高まっています。また、「AI for Science」と呼ばれる科学研究へのAI応用も急速に発展しており、HPCとの融合は新たな研究・技術革新の基盤となりつつあります。
本ワークショップ「AIによるHPC」では、こうした潮流を背景に、AIがHPCの開発・運用・応用の各フェーズにどのような変革をもたらしうるのか、またその可能性と課題について、幅広く議論したいと思います。

プログラム

2026年7月2日(木)10:30-16:50(終了後、懇親会)

10:15

Zoomオープン

10:30-10:35

開会挨拶

塙 敏博(PCCC会長/東京大学)

【第1部】PCCC会員発表
10:35-11:55

会員発表(1)

10:35-10:55

「AIインフラソリューション『Hitachi iQ』のご紹介」

鬼塚 久幸(株式会社日立製作所)

講演概要を開く

企業における生成AI活用拡大を背景に、AIへの投資が増加しています。これに伴い、セキュリティ、高速処理、コスト効率を重視したオンプレミスAI基盤の重要性が高まっています。Hitachi iQは、日立とNVIDIAの技術を融合し、GPUサーバーと分散ファイルシステムを組み合わせたAIインフラを提供します。液冷技術やストレージの階層化により、消費電力の削減と高効率・高性能を両立し、学習&推論に最適な基盤を構築します。

10:55-11:15

「変化するHPC調達環境とこれからの選択肢」

帶刀 光史(SCSK株式会社)

講演概要を開く

サーバ/ストレージの価格高騰や調達リードタイムの長期化が常態化し、必要なタイミングでのリソース確保が難しくなっています。こうした環境下において、ハードウェア購入に依存せず、運用まで含めて一括で利用できるSCSKのマネージドHPCを、有効な選択肢としてご提案します。

11:15-11:35

「TBA」

槌野 浩(GMOインターネット株式会社)

11:35-11:55

「TBA」

アックス株式会社

11:55-13:30 昼休み
13:30-14:30

会員発表(2)

13:30-13:50

「From Code to Discovery」

高藤 良史(インテル株式会社)

講演概要を開く

科学技術計算におけるシミュレーションをAI推論で高速化するアプローチと、ワークフローを自律実行するAIエージェントの活用が急速に進んでいます。これらは異なる計算特性を持ちながら同一ワークフロー上で密に連携するため、さまざまなハードウェアとソフトウェアによる統合実行基盤を構築することが有効です。インテルのテクノロジーにより、AI推論やAIエージェントを活用した新しい科学計算へのアプローチをご紹介します。

13:50-14:10

「TBA」

大原 久樹(日本AMD株式会社)

14:10-14:30

「AI for Science時代のAIデータセンター -- NVIDIAの取り組み」

岩谷 正樹(エヌビディア合同会社)

講演概要を開く

AI for Scienceの進展により、HPCで行われてきた科学シミュレーションをAIで代替する取り組みが急速に広がっている。一方、精度要件からHPC自体が消えるわけではなく、AIとHPCは併走しつつ進化する。NVIDIAは、AIを動かすAIデータセンターの最適化に向け、スタック全体で取り組んでおり、本セッションでは特に電力効率、低遅延、信頼性に大きな前進をもたらす最新技術として、1.6Tシリコンフォトニクス CPOを搭載したQuantum-X InfiniBandおよびSpectrum-X Ethernetフォトニクス スイッチを中心に紹介する。

14:30-14:50 休憩
14:50-15:30

会員発表(3)

14:50-15:10

「NECのHPC,Next Vector,研究情報基盤,及び量子への取組み」

百瀬 真太郎(日本電気株式会社)

講演概要を開く

本発表では最新のHPC導入事例、次世代ベクトルプロセッサ開発、研究情報基盤(RII)、及び量子コンピューティング戦略についてご紹介します。
特にRISC‑Vを基盤とした次期ベクトルCPU、研究データのAI活用を加速するRIIの高速データ転送・データ来歴管理技術、組合せ最適化を高速化する疑似量子アニーリング技術など、研究高度化と効率化を支える核技術についてご紹介します。

15:10-15:30

「AIが変えるHPC ー AIサロゲートとFUJITSU-MONAKAが拓く次世代計算基盤」

平井 浩一(富士通株式会社)

講演概要を開く

AIサロゲートモデルは、従来のHPCシミュレーションを高速化し、設計探索やリアルタイム評価を大きく前進させます。顧客PoCの知見を交え、既存ソフトウェア資産の活用を支えながら、FUJITSU-MONAKA上で進化するHPC×AIの実践と展望を紹介します。

15:30-15:45 休憩
15:45-16:45

会員発表(4)

15:45-16:05

「生成AIを用いた少数量子多体計算コードの開発」

清水 則孝(筑波大学 計算科学研究センター)

講演概要を開く

HPC環境はGPU利用が主流となり、計算物理学者にとって実装・最適化の面で大きな負担となっている。本報告では、ヘリウム原子の少数多体系を対象とした確率論的変分法(Stochastic Variational Method)計算コードの新規開発、およびGPU対応におけるAIコーディングの適用事例を報告する。

16:05-16:25

「TBA」

東京大学 情報基盤センター

16:25-16:45

「ガード付AIエージェントを用いたHPCベンチマーク最適化フレームワークの検討」

中田 登志之(コアマイクロシステムズ株式会社)

講演概要を開く

HPCベンチマーク最適化では、CPU/GPU構成や並列実行条件など多様な探索空間を扱う必要があり、最適条件導出の自動化が重要課題となっている。本発表では、新規に開発したガード付AIエージェントによるHPCベンチマーク最適化フレームワーク(hpceval)について報告する。宣言的探索空間記述(YAML)、YAMLからの自動benchmark onboardingおよびDocker deployment抽象化、さらにHuman-in-the-Loop設計思想に基づくgoverned refinement chain構造について紹介し、今後のAI駆動型最適化基盤への展開を紹介する。

16:45-16:50

挨拶

萩原 孝(PCCC副会長/NEC)

16:50-17:25 (会場レイアウト変更)
17:30-18:30 懇親会(参加費2,000円)

2026年7月3日(金)10:30-16:10

10:15

Zoomオープン

10:30-10:35

挨拶

中島 耕太(PCCC副会長/富士通)

【第2部】テーマ講演
10:35-11:05

講演1

「AIエージェントで25万行気象アプリをGPU化して分かったこと」

星野 哲也(名古屋大学)

概要を開く

LLMを利用したAIエージェントによるコード生成が注目されているが、大規模HPCコードへ実際に適用した事例はまだ限られている。本講演では、25万行規模の気象シミュレーションコードCReSSを対象としたAIエージェント(Claude Code)によるGPU移植(OpenACC)事例を紹介する。実際の移植では、GPUコード生成そのものよりも、ワークフロー管理、検証コスト、再実行負荷、セッション制約による不安定性への対応が主要課題となった。AIを用いる上で実際に起きる問題や、その安定化のための実践的手法について、得られた知見を中心に紹介する。

11:05-11:35

講演2

「『Microsoft Discovery』 - Microsoft が提供する AI for Science 基盤」

中田 寿穂(日本マイクロソフト株式会社)

概要を開く

Microsoft Build 2025で発表されたAgentic AI研究基盤『Microsoft Discovery』を紹介します。Azure HPCと知識グラフを核に、仮説形成・候補生成・シミュレーション・論文執筆まで研究の全工程を加速。200時間で新冷却剤を発見した実例を交え、研究者の専門性とAIエージェントが協働する新しい研究スタイルをお伝えします。

11:35-13:00 昼休み
13:00-13:30

講演3

「気象モデルとAIのリアルタイムカップリング ― モジュラースパコン上でのAI for Scienceの事例」

荒川 隆(株式会社CliMTech)

概要を開く

我々は全球雲解像モデルNICAMの雲微物理過程を機械学習で代替するNICAM Cloud Emulator(NICE)を開発している。本講演ではシミュレーション(CPU)と学習(GPU)をモジュラースパコン(Wisteria/BDEC-01、Miyabi)上でリアルタイム結合した事例を報告する。講演ではカプラh3-Open-UTIL/MPと通信ライブラリh3-Open-SYS/WaitIOによる結合の実装、CPU・GPU間の性能バランス、結合オーバーヘッドの内訳を示すとともに、異なるアーキテクチャ・ソフトウェア・研究コミュニティをつなぐ「カップリング」の観点からAI for Scienceの課題を議論する。

13:30-14:00

講演4

「AIを活用したHPC構築・運用とAI時代に向けたデータ管理の高度化」

金山 秀智(理化学研究所 計算科学研究センター)

概要を開く

OCI上でのAIを活用したHPCクラスタ検証環境の自動構築および試験、時系列LLMを用いたHPCI共用ストレージのログ分析・異常検知への取り組みについて紹介する。さらに、HPCI共用ストレージにおける研究データへのメタデータ自動付与や、生成AIを活用したデータアクセスを見据えた研究データ管理の今後について説明する。

14:00-14:20 休憩
14:20-16:00

パネル討議

モデレータ: 中島 耕太(PCCC副会長/富士通)
パネリスト:
  • 星野 哲也(名古屋大学)
  • 中田 寿穂(マイクロソフト株式会社)
  • 荒川 隆 (株式会社CliMTech)
  • 金山 秀智(理化学研究所)
16:00-16:10

閉会挨拶

塙 敏博(PCCC会長/東京大学)